田染が田麦俣に出向いたのは1978年5月半ば
上野発21:14の夜行急行「鳥海」を利用しています。
彼から聞いた話・・
鶴岡に着いたのが早朝5時過ぎ
車窓から眺めた田園風景をじかに見たいと思い
町並みが途切れる所を目指し歩いてみたけれど
大きな町で無理だった・・
田麦俣へは、鶴岡駅発8時前のバスで・・
通学の学生さんたちでかなり混んでいたそうです。
宿に荷物を置いて田麦俣をひととおり歩き、
さらに15分ほどバスに乗って大網まで・・
そのあたり一帯は下村と呼ばれるところで
点在する多層民家の数は田麦俣よりも多く
それを見た時の感動はかなりのものだったようです。
お天気のほうは、うす曇り時々晴れ
翌日は小雨が降るあまり芳しくはない空模様だったようですが
それでも傘をさして、夢中でスケッチをしたと話していました。
朝日村田麦俣(山形県)でのスケッチ(1978・5・9)

絵の左側上部に、以下のような注があります。
バックに旧遠藤家の多層民家
(山形県指定文化財)→

・・下村から15分ほど歩いたところの上村には
即身仏が祭られている大日坊というお寺があると聞いて
出かけてはみたものの、お参りだけして
仏さまには会わぬまま帰ってきてしまった、と話していました。