コンテンツへスキップ
田染幸雄の世界
  • はじめに
  • 略歴
  • 油絵
  • デッサン
  • 想い出の記
  • お問い合わせ

想い出の記

memories

  • ホーム
  • 想い出の記
  • 田染幸雄のエッセイ 8

田染幸雄のエッセイ 8

2014 / 05 / 27 田染幸雄のエッセイ

田染幸雄のエッセイ 8

今回紹介する田染幸雄のエッセイ「 道 」は、
昭和52年に発行された「 ニッサングラフ 11 」に 掲載されていたものです。

道…
それは私がいままで絵筆に託した探索のテーマで、
これからもこの “ 道 ”をさらに描き続けていきたいと思っている。
四季折々に、日本の風土性を象徴する微妙な自然現象のよろこびを
この道に感じる。

毎月出かけるスケッチ旅行で“ 道 ”への執心は募るばかり。
ときには季節を変えて幾度か同じ道に足を運ぶと
折々の異なった風情で私をひきつけ
道と景色の相互を痛感する。
“ すべての道 は風景に通ずる ”
そこに素晴らしい舗装道路が通じていたにせよ
車同士のせりあいでイライラムードでのドライブであっては
自然を楽しむ心も不条理である。景と情はうつり合う。
正しいマナーをとおしてみる自然のたたずまいは、
求め触れ合う心の融和である。

私が理想としている作品は、道をもって画竜点睛としている。
風景のツマに道を描くのではなく、道の中に風景を添加している。

この秋訪れる大勢のモータリストが
道と風景に寄せている思いにもこんなものがあろう。
しっとりした道を気ままに静かに走る。
そこには、ひっそりと息づいている大自然のパノラマ、
私はいつもそんな道を探し求める。
マスメディアで案内されている観光地は、
都会地さながらの雑踏にまみれ、周辺の美観も損なわれる。

私は職業柄、道を絵で知っているが、
モータリストも、
切っても切れない仲のこの道にもっと深い親しみを持てば、
ただそこを走るだけで心が和み、
周囲の景色も美しく心に映えることだろう。
それは必ず、足元からはじまる。
美とは概念ではなく、求め触れ合う心根だと思う。

« 前の記事へ
次の記事へ »

田染幸雄のエッセイ その他の記事

田染幸雄のエッセイ 9

田染幸雄のエッセイ 9 ブログ「個展・各種展覧会 6」の中ですでに紹介しているエッセイですが、1975・1・22~2・1 飯田画廊・第2回個展の際に発行された小画集の写真をそのまま掲載いたしましたので読みづらいため、再度 …

続きを読む →

2014 / 06 / 26 田染幸雄のエッセイ
田染幸雄のエッセイ 7

田染幸雄のエッセイ 7 郷里・思い出 私の育った徳山は、もと毛利藩の城下町で昔から良い港があり、陸上海上交通の要であった。戦前、海軍燃料廠やそれに関連した工場が設置され、現在は出光興産を中心とした大規模な石油コンビナート …

続きを読む →

2013 / 12 / 02 田染幸雄のエッセイ
// 一覧へ戻る

カテゴリー

  • お知らせ
  • なっちゃんの思い出・その後(1)
  • なっちゃんの思い出(1)
  • なっちゃんの思い出(2)
  • なっちゃんの思い出(3)
  • なっちゃんの思い出(4)
  • はじめに
  • 故郷 山口県徳山
  • 旅・フランス
  • 旅・ベルギー
  • 旅・岩手県
  • 旅・愛媛県
  • 旅・福島県
  • 旅・群馬県
  • 旅・長野県 山梨県
  • 旅・青森県
  • 未分類
  • 海
  • 田染幸雄のエッセイ
  • 田染幸雄のコメント
  • 田染幸雄の個展・各種展覧会
  • 花の絵
  • ホーム
  • はじめに
  • 略歴
  • 油絵
  • デッサン
  • 想い出の記
  • お問い合わせ
  • プライバシーポリシー
  • 株式会社太陽画廊
  • 音楽トリオ「Quatre-vingt-neuf」
  • 絵本作家・島田ゆかさん「BamKeroPage」BamKeroPage

サイト内の画像・文章の無断転載転用は、固くお断り致します。

Copyright © 2008  田染幸雄の世界 All Rights Reserved.



トップ