蓼科・女神湖への旅 1
<女神湖>

蓼科方面への旅では、当初白樺湖・蓼科湖畔に宿をとることが多かったのですが、
いつ頃からか、小諸行きのバスで“鍵引き石(女神湖入り口)”下車、
バス停の近くにあった“女神湖ホテル”に泊まるようになりました。
ホテルの庭には小さな流れがあって、よくそこで彼はデッサンをしておりました。
この時の小川の風景は、油でも描いています。
(ホームページ“1980年代に描いた蓼科風景「小川」20P”をご覧下さい )
そして或る日、その日はとても寒い日で、丘の上を歩いていると、
手編みの毛糸の帽子をかぶっていた私は、
風が一吹きするたびに、網目の間から冷たい風が流れ込んできて、
“頭が凍傷にかかってしまいそう!” そんなぐちをこぼしながら、
彼の後ろにぴったりくっついて歩いていた・・そんな日がありました。
そして同じ日、女神湖では、多くの人がスケートを楽しんでおりました。
対岸のレストランでお昼にしようと、私たちは恐る恐る氷の上を歩きました。
みんな安心して滑っているのだから・・平気・・平気・・
“転ばないように・・”
それさえ気をつければいいのだと、わかってはいたものの、
天然の氷の神秘的な色合いに、底に引きずり込まれてしまいそうな
何とも不思議な気持ちにおそわれたことだけはよく憶えています。
そしてその夜、湖の方で異様な物音がするのでのぞいて見たら、
なんと、車が1台、湖の上を走っておりました。
(ホームページ上で、蓼科・女神湖付近を描いた絵を紹介しております)