蓼科・女神湖への旅 3
<諏訪大社>
そして又或る日、女神湖からの帰り道、お諏訪様をお参りしたことがありました。
お参りを済ませ町を歩いていたとき、
酒屋さんの店先に緑の杉玉が飾られているのに気付いた彼が、寄ってみようと言いました。
新酒と酒粕を求めて、お店のご主人といっときの四方山話・・
何気なく私は、あちこちで別荘地が売り出されているようですが、
定住するとしたらどの辺りがいいのでしょうか、と尋ねていました。
当時、転居を考えていた私たちは、旅に出た折々にどこか良い場所は無いものか、
それとなく探す習慣がついていたようです。
〈松本辺りはどうだろうか・・〉と彼が話す時もありました。
しばらく考えていらしたご主人は、
〈この土地でといった、差し迫った事情があるなら別ですが・・
定住ということでしたら、お薦めはできませんね。
真冬の寒さは厳しいし、場所によっては水が出る・・湖に近いですからね。
また、山が近くて日照時間の短い所もあります。〉
私は、零下10何度になるというその寒さを思っただけで、尻込みしてしまいました。
その後も、あちらこちら思案したのですが、
〈海からあまり遠くない場所にしよう〉と彼が決断し、千葉に落ち着きました。