
福島県の夏井川渓谷沿いの道と
脊戸峨廊(せとがろう)の紅葉が見事だったから
今年も行きたいという彼のお供でスケッチ旅行に出発したのは
平成15年(2003年)の11月中旬でした。
楽しみにしていたのに
磐越東線の江田駅で降りて渓谷沿いに歩き始めると
日差しは良いのに風が強く
帽子を飛ばされてはいけないとスカーフでおさえたり
後ろ向きに歩いたり、前向き横向き・・
それでも、川沿いの木々の鮮やかな色彩に心はときめきました。
絶え間のない突風に
木々の葉は惜しげもなく空(くう)を飛び
こけつまろびつ道を走る・・
谷の底からももつれにもつれ
木の葉の群れが舞い上がってきました。
その風も夜半にはおさまり、静かに静かに夜が明けました。
真っ白な霜が田畑をおおい、足を下ろすたびに
かしかしと、霜柱の割れる音がいたしました。
背戸峨廊・・名付け親は、福島県の詩人として有名な草野心平氏
ブログに簡単な説明を載せました。
一晩中強い風が吹いていたことを思い出しながら
恐る恐る辿ってきた山道でしたけれど
案の定、高い木々の梢から、青い空が透けて見えました。
〈ひと足遅かったなあ・・〉と嘆息する彼。
それでも、好みの場所に腰をおろしてデッサン帳を広げていました。
はじめて福島県の夏井川沿いを歩いたのは1999年の秋、
その頃からの秋景・数点を紹介いたします。






少しばかり早く江田駅に戻り着いた私たちは
駅前の酒屋さんで、自家製だというお酒を二本購入・・
“夏井川渓谷””背戸峨廊”というラベルがはってありました。
そしてこの時、この酒屋さんで出あった人達と言葉を交わすうちに
私は、幼い頃ほんの一時過ごした小名浜のことを
思い出していたのです。
小名浜の思い出については、ブログで紹介いたします。