彼は、蓼科、白樺湖、女神湖方面の雪の道や雪の林などを数多く描いています。
(田染幸雄 1980年頃のメモ)
・・このところ毎年、白樺湖・蓼科湖を訪れている。
この辺りの高原は、八ヶ岳の峰々が西側に裾野を大きく広げ、
蓼科高原・白樺湖・女神湖・蓼科山・車山高原・霧ケ峰高原
そして美ヶ原に続いている。
茅野からビーナスラインを上り蓼科湖畔、白樺湖畔に宿をとる。
又ある時は、上諏訪から車山経由で入ることもあった・・
これは、白樺湖付近の風景です。
この絵を描いて何年か後
池の平ホテルから湖に沿って歩いていたとき、ふっと立ち止まった彼が
・・確かこの辺りであの白樺の木を描いた・・と言うので、一緒に探しました。
そう、確かにありました・・一軒の家の台所近くにひっそりと・・
でも彼が描いた時この樹は、雪原の中に凛とそびえていたそうです。
わずかの間に開発が進み、道は広くなり、家もふえていたのです。
【1970年代に描いた蓼科風景】
雪の斜面を大きく取った絵を、よく描いています。
これは女神湖付近の絵です。
(田染幸雄のメモ)
・・白樺湖から女神湖にかけての白樺高原・箕輪平は何度歩いたであろうか。
白樺湖の辺りには名前のとおり白樺の木が多い。
白樺の樹は、リズム感のある林を作る木で、大いに楽しめる。
そして又白樺のうすい皮、自然にはげたままなのに
その不自然な皮のむけ方に、妙に感心させられる時があった・・
・・白樺湖から白樺高原、女神湖へと入ると、
そこには、唐松林・ミズナラの美しい林がひろがっていた・・