3~4年前、久しぶりに月夜野町に出かけた時のこと・・
歩きなれた道を散策し、谷川岳のよく見える丘にも登りました。
彼曰く、
〈来るたびに風景が少しずつ変わっていく・・家が増え、あぜ道がきれいに整備され・・
護岸工事もすすんで、小川が、小川ではなくなってしまった・・〉
この辺りで以前描いた、月夜野町の田園風景の絵を何点か紹介いたします。
そして翌日、
せっかく水上まで来たのだから湯の小屋まで行ってみようということになりました。
というのは、最近よく耳にする照葉峡、その紅葉がみごとだと聞いていたので
どんなところかいちど見ておきたいということになったのです。
紅葉がきれいだとしたら、新緑もすばらしいにちがいない・・
水上駅から湯の小屋行きのバスに乗りました。
藤原湖が見えてきたとき、彼はたった一言
・・木がみんな大きくなったなあ・・!
バスの往復で垣間見た藤原郷はすっかり衣替えしているようでした。
藤原郷がどのように変化したのか
見たいような、こわいような、正直言って今はそんな気持ちでおります。
嘗ての日、養蚕業が盛んだった土地、それが林業に移行して、
現在では観光の町に移りつつある・・
古いものが移ろってゆくそれが現実だとはわかっていても、
やはりさびしい気持ちも致します。
責任のない立場だから言えることですが、
せめて私たちの胸のうちにだけは、古い姿を残しておきたい
現在はそんな気持ちです。
田染は藤原の他にも、山口、広島、秩父などをまわり、
茅葺きの家を数多く描いております。
これらの絵を、後ほどまた、少しずつ紹介していきたいと思います。