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田染幸雄のエッセイ 2

2013 / 07 / 06 田染幸雄のエッセイ

田染幸雄のエッセイ 2

「田染幸雄のエッセイ 1」に続き 今回は
「甲州・信州の旅」を紹介いたします。 (1987年発行「田染幸雄画集」から)

甲州・信州の旅 (1)

「 道を描く画家 」と紹介されるようになり、山梨、長野への取材は増えていった。
49年以前の手帳はなくしてしまったので、それ以降のメモをまとめてみた。

49年(1974年) 
7月 高遠・山室・伊那 
9月 上高地
10月 高遠

50年(1975年) 
2月 白樺湖・女神湖・小諸・清里
6月 小淵沢・甲斐小泉・清里

51年(1976年) 
2月 白樺湖・女神湖
5月 塩山(笛吹川)・西沢渓谷
12月 長野・更埴・戸隠

52年(1977年) 
8月 野辺山・軽井沢

53年(1978年) 
10月 鶴川渓谷
12月 白馬・小谷

  注〕「田染幸雄画集」には、この後も、妙高高原、安曇野、乗鞍高原、韮崎
     増冨、茅野、御作田、駒ケ岳山麓、軽井沢、大町、丹波、信濃川源流、等々
     62年(1987年)2月までの旅行記録が記録されています。  

民家を取材した高遠は、その街並みが心に残っている場所である。
「 高遠は山すその町ふるき町、行きかう子等の美しき町 」と田山花袋がうたい、
古寺からすると700年位の歴史のある城下町で、名所旧跡も多く
中村不折(なかむらふせつ)、池上秀畝(いけがみしゅうほ)の出身の地でもある。

茅野から1時間半ほどであろうか、山室鉱泉に泊まり高遠から茅野に抜けた。
最初は単なる途中の町であったが気に入って、又すぐ訪れた町である。
周辺を歩いて民家の取材をしたが「 江島・生島 」の江島が流刑され、
一人寂しく生涯を終えた地と聞いて、
たたずまいすべてが歌舞伎の世界に思えたりしたものであった。
絵にしたことはないが、中央アルプスの眺めの素晴らしいところでもある。

茅野から高遠へ行く途中の杖突峠から見た蓼科、八ヶ岳の形がよく
たびたび通って八ヶ岳を描いている。

上高地にはあまり出かけていない。
観光客の多いところはどうも苦手、というより
歩きながら自然の形や人為的な形を夢想している人間には
有名な場所はあまり意味がないようである。

茅野・上諏訪から、白樺湖・蓼科は毎年必ず訪れている。

「この高原は、八ヶ岳の峰々が西側に裾野を大きく広げ、
蓼科高原・白樺湖・女神湖・蓼科山・車山高原・霧ケ峰高原
そして美ヶ原に続いている。
茅野からビーナスラインを上り蓼科湖畔、白樺湖畔に宿をとる。
又ある時は、上諏訪から車山経由で入ることもあった・・」

  注〕「・・」内の部分は、ホームページ「 蓼科湖・白樺湖・女神湖 」
  でも紹介しております。

蓼科高原からは、八ヶ岳はもちろん南・中央・北アルプスが眺望できるが
私には深呼吸の風景で、取材は、下を見るか見上げたものがほとんどである。
美しい風景は、写真でも撮ろうとか気分を良くする効果はあるが
自分を目覚めさせてくれないのである。
何か新しいものを見つけようとする旅は、
古い記憶を思い起こす旅であるのだろうか、あまり出来すぎた風景では
次の夢が浮かんでこないのである。

渋川の渓谷深く、
いくつかの温泉を巡りながら茅野からのバスは渋の湯まで登る。
気に入った風景があるとおりて渓流を取材するが、
川の流れは水量の変化もあり、見あきないのが不思議だ。 

「白樺湖から女神湖にかけての白樺高原・箕輪平は何度歩いたであろうか。
白樺湖は、蓼科山・車山・八子ヶ峰に囲まれた人造湖で
名前のとおり白樺の木が多い。
しらかんば( 白樺 )は、知られるとおり、
幹が白く、紙のように薄くはげ、
リズム感のある林を作る木で、大いに楽しめる。
自然にはげたままなのにその不自然さに、妙に感心させられたりする。

この一帯は、黒曜石のヤジリが多く出土する石器時代の遺跡が多い。
そして、別荘地として開発の進んだ白樺湖から白樺高原、女神湖へと入ると、
そこには、唐松林・ミズナラの美しい林がひろがっていた・・」

注〕「・・」内の部分は一部ホームページ「 蓼科湖・白樺湖・女神湖 」
でも紹介しております。

白樺湖の西側 、車山から霧ヶ峰は大草原地帯で
初夏には花が美しいところである 。
ところどころにある湿原は湿原植物群を楽しませてくれている。
美しい写真を撮ったことはあるが、まだ描いたことがない。

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